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まだ見ぬ炒米粉を夢に求めて その2

私が炒米粉こと焼きビーフン(正確には「炒め」と言うべきだろうが)を
作ってみようと思い立つに至ったのは
それ以前に
ケジャリー
>汎内陸アジア型サラダ
>チャプチェ・サラダ(うどん)
を夢に求め、作り、我流レシピというかメソッドを確立した履歴が
過去にあってのことだ。
ケジャリー、チャプチェ・サラダについては今は措き、別に追い追い。
「汎内陸アジア型サラダ」というのは
私の勝手な、しかし必然性ある用語/コンセプトで
別段「内陸」にも「アジア」にも留まるものでもないのだが
ー たとえばシリア、北アフリカ、トルコ、ギリシャ、インド辺りに亘る ー
絹の道・草原の道、チュルク系民族の関与が大きく抜き難くイメージされるため
便宜的に、またロマンを込めて使っている。
それら(私の自作品、および世界の名のある各サラダ、また非サラダ)は
日本人の多くが「サラダ」と言う際に頭に浮かべる生野菜サラダ等と比べて
豆やパスタの比重が大きく、
また資源使い放題の現代型国家アメリカ合衆国やその同類国のそれとは異なり
5種6種7種の少量ずつの食材(殆どは野菜/植物由来)を混ぜこぜしたものだ。



さあ、予想通り既に前置きが長くなっているが、
ケジャリーへのきっかけ、チャプチェへのきっかけ、
「汎内陸アジア型サラダ」とはどういうものでどんな意味があるのか、
等々はこれまた追い追い、各論で、と「乞う、ご期待!」にしておいて
いい加減当の炒めビーフン、あるいはビーフン入りホット・サラダに行こう。



まずおことわりしておくと
私は麺料理としての焼き/炒めビーフンを作らない。
いや、別に作ってもいいし、必要とあらば作りもするだろうが
ミソ、狙いとしては、食材のひとつのパスタとしてビーフンを使い
野菜9:ビーフン1くらいの分量バランスで、ホット・サラダとして作る、
ってことだ。
したがってもし、私のレシピに従って麺料理:焼きビーフンを作ってしまうと
味付けが薄い/美味しくはない、という結果を喚ぶだろうからご留意あれ。



食材:キャベツ、玉ねぎ、にんにく、ピーマン、エリンギ。ソーセージ、ちくわ。
   新竹ビーフン(乾燥)
調理材・調味料:こめ油。鶏ガラスープの素、コンソメ、塩、こしょう。

他に何と呼ぶべきか分からないため「調理材」と変な言葉を遣ってるが
炒め油やころも用の粉類等をこの変な用語で示すことにする。
ここでは炒め油、及び茹でたビーフンを和える油にこめ油を使う。
おそらくフツーの植物油(キャノーラ油等)でもいい、だろうが
この料理のあっさり、さらっとした味・食感のための散財だ。
食材に挙げた野菜たちだが
最小ならキャベツ・玉ねぎ・にんにくで足りるし
最大ならもやし・白ねぎ・にんじん・きくらげ等を付け加えてもいい。
(ただし、クセの強い色の濃い野菜の大分量使用はNG)
動物性タンパク源にして旨味の提供者に
(ウインナー・)ソーセージとちくわを挙げているが
もちろんおなじみの豚バラでも、その道では鉄板のかまぼこでもいい。
要は豚由来の畜肉/畜肉加工品を片翼、魚肉加工品をもう片翼にすることだ。
ちなみに私は、精肉を購入日・次日・せいぜいで次々日しか使いたくない派で
そのためずっと長く保存の効くソーセージを多用するし、
また似た理由(板1枚より小5本)からちくわを優先して使う。
しかもぶっちゃけ、「味出し材」としてはソーセージ&ちくわが優れているのだ。
「新竹」は台湾のビーフン製造名産地で
おなじみ「ケンミン」の製品の6割、1/2、1/3ほどの値段で買える。
私が初めて買った新竹米粉は300g216円で、それ以降も愛用し続けている。
(乾燥の300gはとてつもなく使いでがある、ので人によっては要注意)



0. 準備
乾燥ビーフンは適宜(多すぎ注意。手のひらに乗るくらいで十分)
2つ、あるいは3つ折りにへし折り、熱湯で戻す/茹でる。
沸騰して1分、その後ほっといて3分、くらいでいい。十分柔らかくなる。
実をいえば沸騰させなくても大丈夫なくらいだ。
ざる等に空け、水気を切り、こめ油をtbsp2/3ほど注いだ器に空け、和える。
言い忘れたが私は、テーブル・スプーン(カレーに使うようなアレ)と
ティー・スプーンを目分量の補助に使うか、もしくは全く使わない。
以降、tbsp=大さじ、15cc、tsp=小さじ、5ccという目安にされたし。
(ccは重量でなく体積/容積の単位で、見た目の分量「かさ」に適する単位)

キャベツ、玉ねぎ、ピーマン、エリンギを千切り/短冊切り。
1人前でキャベツ外葉2枚、玉ねぎ半個/1個、ピーマン1個、ってところか。
キャベツは水分を飛ばしかさを減らすためレンジ・アップしておくと吉。
エリンギは説明困難だが10〜20gあればよし(なくてもいいのだから)。
青椒肉絲でよくあるように、折ったビーフンに合わせたサイズに切る。
にんにくはひとかけ - 1片を薄切り、あるいは半切りにして薄切り。
ソーセージは1人前(総量200〜250gほど)に1本で足る。輪切り/半月切り。
ちくわも5本入り小サイズを1本、こちらは横>縦で1/4に割りさらに細く短冊切り。
味出し材は細かく切り、鍋肌・炒め油・他食材に当たる表面積を増やすほど
味出しの「効力」が上がるからだ。


1. 炒め
私はこの料理や1人分のカレーを作る際、幅11cmほど、または16cmほどの
「卵焼き器」と呼ばれるタイプのフライパンを使う。
炒めた後に液体分を加えて煮しめるタイプの料理には覿面に効果的なのだ。
丸いフライパンだと外径に向かってソース/スープが広がってしまい不利。
ソーセージ、ちくわ、そしてにんにく、
そして他野菜たち(玉ねぎ、ピーマン、エリンギ、キャベツの順か)を
こめ油で炒める。
まず味出し材を、そして火の通りにくさや味出し要因上の必要性から
野菜の炒め順は決まる。
玉ねぎは肉/魚介類やにんにくに負けず劣らず、常に味出し野菜でもある。



2. 蒸し&煮しめ
他を圧して落し蓋のように覆うキャベツが炒め/蒸し熱でしんなりしたら
調味料:鶏ガラスープの素&コンソメ半々 ー 各tsp1/3ほど ー
をお湯で溶いたもの30ccほどを回しかけ
水っけ、液体っけがほぼなくなる程度に強火で30〜60秒ほど煮しめる。
味不足が心配な場合、適宜、好みで塩・こしょうをかき混ぜつつ少量振る。
「保険」に醤油を使いたくなる人が多いだろうが、不要。
むしろ「何でもかんでも醤油味」というのは私の嫌うところでもある。


3. 仕上げ
「0」のビーフンを混ぜてなじませ出来上がり。



さて、我ながらぜえはあしたが、
そして「レシピとしても使える」程度に体裁を整えるのに苦労・退屈したが、
これが私の、レシピでなくもないが所謂レシピとは遠い「読み物」である。
びっくりするくらい「味付け」の要素が少ない、と思う人がいようが
味出しは各食材が、そして炒め・炒め蒸しが、そして最後の調味料が
十分面倒を見てくれている。
炒めると玉ねぎが、キャベツがピーマンが甘み(と香辛/香味要素)を醸し出し
それはもうそれだけで結構な「野菜の甘み・旨み」を提供してくれるのだ。
すっかり言い忘れていたが、
私がこの炒めビーフンを試しに作ってみようと思った直接のきっかけは
センスのいい弁当や定食などにちょこなんと2箸3箸ほど付いているそれで
そこから私は、懐かしの記憶の中の『リンガーハット』の長崎ちゃんぽん ー
しかも私の記憶の中で勝手に美化され理想化された海鮮白湯スープ/味付けの
あのたっぷり乗った、あっさりと甘く、トップ・ノートは塩・こしょう味で
それなのにとてつもなく美味い野菜たち
ー の味を手本として幻視するに至ったのだ。
ちなみに当の『リンガーハット』の味は、実は大きく豚骨ベースらしく
私は何がなしガッカリさせられたものだ。



結果的に私は、記憶と勘とコンセプト(このような味があるはずだ!)から
この自己流炒米粉サラダをものにすることになった。
ビーフンの分量を多くし過ぎた1回目を除けば、常に目分量で失敗知らずだ。
もしかしたら私はその内近々にでも
これを応用した「私の」海鮮白湯ちゃんぽんを完成させるかもしれないが、
元々私は「かけ」の麺料理、スープに浸った麺料理をたいして評価していず
ましてやそのかけちゃんぽんは麺のためスープのため過剰な塩分を必要とし、
したがってやっぱり私の作りたい料理とはならないのであろう。
(別に塩分過多を恐れなければならない疾患・体質は持ってないのだが)