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ホット・サラダとしてのチャプチェ、あるいはチャプチェうどんサラダ

さて、前エントリ:あらゆるサラダはホット・サラダであるべし
さらには前々エントリ、前々々エントリ:
まだ見ぬ炒米粉を夢に求めて その2
まだ見ぬ炒米粉を夢に求めて
に書いたようなことどもを踏襲し、敷衍拡張していくと
今回のチャプチェ、あるいはチャプチェ・サラダ、
あるいはチャプチェ・サラダうどんも、容易に、系統立って浮かんでくる。
「あるいは」と例によって「おことわり」を入れてるように
私が作るのは一般的な、教科書どおりの「チャプチェ」ではない。
作ってみようと思い立ったきっかけは、焼きビーフンの際と同じように
弁当/定食にちょこなんと2箸3箸ほど付いているそれを
味の記憶、勘、コンセプトのみを恃みに手抜き再現してみて成功したことだ。
結果的には後追いで、一般的なチャプチェというのは
醤油頼みの炒め物/炒め煮物である、ごはんのおかずに適した濃い惣菜
であるらしいと判明したが、
私はもう既に、酢ベースの甘酸っぱピリ辛い自己流チャプチェを
あるいは自己流チャプチェ・サラダを、自己流チャプチェ・サラダうどんを
あるいは自己流チャプチェうどんサラダを
完成させてしまっていたのでしょうがないのである。



料理名に「うどん」を入れたり、さらに入れる位置を入れ替えたりしているが
それは「うどん」にどれだけ比重を置くかによって変わるという含意で、
麺料理:うどんとして作ろうというのなら「チャプチェ・サラダうどん」だし
パスタ・サラダとして作るなら「チャプチェうどんサラダ」だ。
どっちにせよ美味しく作れるが、なんならうどん麺は無しでもいい。
いつもの汎内陸アジア型サラダとして作るのに
私の場合、うどん(細麺)が一番にドンピシャの候補として浮かんだのだ。
数種の野菜、最小限の動物性タンパク源、パスタ、なんなら豆類をプラス ー
いつ、何として食うか(昼食/夜食/副菜のサラダ、等)によって
好きに分量を変えてみてもいいのである。
ちなみに私は、深夜ディナーの2品(稀に3品)の内の
あっさりなほうの副菜として作るため、チャプチェうどんサラダが主だ。
うどん麺というパスタをサラダの具材のひとつとして少量使うのは
ダイエット目的や、コメ偏重食脱却にも役立つといえば役立つのだが
中華麺でもイタリアン・パスタ(たとえばマカロニ)でも
そうめん麺でもビーフン麺でもあまり合わない、というのは
作ってみれば、味なじみ・食感の面から感じられることと思う。
(といいつつ、私はそれらで作ったことはない。予想がつくし)
例によって、食材自由だが基本線はあるので、その最小要件を満たす例から ー



食材:キャベツ、玉ねぎ、にんにく、ソーセージ、うどん(細麺の乾麺)
調理材・調味料:酢、砂糖、めんつゆ、醤油、一味唐辛子、ごま、ごま油

私の料理ではおなじみの面々が並んでいるので
ここでは細麺のうどん乾麺について触れておこう。
「うどん」といえば、多くの人が
おそらく日本中どこでもスーパーで見つかる例の3食100円ほどの
ゆで/蒸し済みの「日配」ものを思い浮かべ、また常用しているだろうが
「節約料理」の点からはそれはまったくもって「安く」ない、むしろ高い!
また、賞味/消費期限に縛られながら使う日/機会を考慮しなければならない。
乾麺で大分量・割安の商品を見つけて使いつけるようにすれば
「うどん代」はあなたの考える1/5、1/10、1/20にも抑えられるだろう。
私は、とある弱小チェーンのドラッグストアで
香川県は「さぬきめん楽」社の「讃岐うどん 1kg」を268円で買い ー
いつ使い終わるかまだ知れない、おそらく50回以上にはなることだろう。
都度都度の分量にも因るが、1食あたり4、5円かそれ以下、ってところか。
総量200gから300gほどを目安に
ソーセージ1/4本から1/2本、にんにく1片、玉ねぎ1:キャベツ3〜の割合。
うどん乾麺は(乾燥重量で)10〜20gほど、せいぜいで10本ほど。
「うどん」として作るならお好みで量を増やす。

(アマゾンでは当該品は見つからないので参考まで)



0. 準備
うどん乾麺は手でぽきぽき3分割し、茹で、水を切っておく。
ソーセージは薄い半月切り、にんにくは薄切り。
玉ねぎは薄切りにしてスレッド状に、キャベツは幅狭の短冊切り/千切り。
(前回の「酢油ドレッシング・サラダ」の文そのまんまを流用している)


1. レンジ・アップ
うどんを除く食材全てを、「酢油」の時同様にレンジ・アップ。
ラップなし、味出し材群はキャベツの中に「埋まる」ように。


2. ドレッシング作り
ここの味作りがこの料理のミソとなる。
甘酸っぱピリ辛い、に加えてのうっすらめんつゆ/醤油の旨味、ごま油のコク。
私の頭の中では、各種のナムルと実在する大半のチャプチェの折衷が
イメージされてたと思われる。
調味料の割合は ー 動作/シーン的に順序立てての説明のほうが分かりやすい。
・砂糖1:酢3くらいで、酸っぱくない/わずかに甘酸っぱい程度に溶き
・めんつゆを酢の1/3〜2/3ほど、醤油は(ちょい強める程度に)1、2滴
一味唐辛子を適宜、1、2振り、ピリ辛みが出るように
・ごまを1.2振り、ごま油をひと廻し
でスティア。
「酢油ドレッシング」でも語った基礎要素に
めんつゆ・醤油の植物性(&動物性)アミノ酸の旨味と
唐辛子の辛/辣ピリ辛スパイス性が加わっており、
それゆえ(白くプレーンで味に染まりやすいパスタ:)うどんを
味つける「余力」が生まれている。
塩分に配慮しなければならない人なら、めんつゆ・醤油の量を
「これ以上減らすと美味しくはなくなる」点まで減らせもするだろう。


3. 仕上げ
うどんを加え、ドレッシングをかけ、全体を混ぜ、必要なら冷やし、出来上がり


4. おまけ
チャプチェ・サラダでもチャプチェうどんサラダでも
あるいはチャプチェ・サラダうどんでも、
キャベツ・玉ねぎに次いで3品め4品めの野菜食材を適宜加えていけばいいが
ー さしあたって、えのき・きゅうり・白ねぎ辺り、か ー
その前にぜひ、「たまの贅沢」用におすすめしたい食材がひとつある。
実を言うと、この料理が酢ベースになった間接のきっかけでもあるのだ。
イングランド好きロンドン好き、および/もしくはマッドネス好きならおなじみ、
ガーキン(ずんぐりむっくりの小きゅうり)のピクルスだ。
薄切りの輪切り/半月切り、または青椒肉絲ふうに細長くスレッド切り。

各所・各地で美味いと名高い、そして
蓋が開きにくい、インド産が不安、なんてネガティヴ評もある
あの高級スーパー:成城石井の人気格安商品、(固形量!)370gで
目端の利く非系列のスーパーでも売ってあり、300円前後!
1本あたり15円そこら、あるいはそれ以下!
インドはむしろイングランド植民地時代から自家薬籠中とする製造国だろうし
蓋は
・何度か上下逆さまに
・5mmほどの深さの熱湯に逆さに浸け、金属フタだけを熱し
・かつんかつんと硬めの木材などで金属フタだけを叩き
・マイナス・ドライバーや薄い金属へら等を隙間に差し込み軽く外方向に
の合わせ技を試す内にどこかで開く。
「脱気瓶詰め」がしっかり為されているゆえの風評被害、であろうぞ!



さて、当然といえば当然のことながら、
今回のこのチャプチェうどんサラダにしても他のサラダにしても
味出し材 ー 今回なら玉ねぎ、にんにく、ソーセージ ー を
レンジ・アップするのでなく、フライパンでさっと炒めて混ぜる方法論を採ると
それらの旨みや甘みや香ばしさがより加わる。
興味がより湧いてきた、それくらいならやってみようかな、という人なら
そっちの「より料理らしい料理」に向かっていってもいいのである。
炒めという手法、さらには炒め油により食べ応え・「肉っぽさ」は増すものだ。
ただその分「サラダ感」とお手軽感は減っていくし
カロリーは増す、とは言える。
「簡単貧乏充実創意レシピ」の観点からなら
先ずはレンジ・アップから、で必要十分なのだ。