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回鍋肉からアレンジで中華炒め何でも自在

さて、前回エントリでは
回鍋肉のメソッド、ソースのまま食材を1つ2つ加えてのヴァリエーションを語ったが、
今回は「食材を替え、ソースを大幅に別物に換え」のほうで
名前のある、または名前のない「中華炒め」のヴァリエーションを
無限に拡げていくための基本アプローチ、みたいなところを
手っ取り早く実例を挙げながら語ってみよう。



まず大枠で最近の ー 大雑把にここ6ヶ月くらいの私の「ディナー」・メニューの内から
「中華炒め」に属するメニューを挙げると
青椒肉絲                                  
・味噌マヨネーズ炒め
・甘酢ケチャップ炒め
・レバニラ炒め
イカニラ炒め
・麻婆チキン
・酢豚ならぬ酢鶏
等が挙がるのだが、
各々を特定の食材の1セットで作ったとしても
1週間毎日異なるメイン・ディッシュを食べられる、ということが見て取れる。
「各々を特定の食材の1セットで作ったとしても」と意味深な条件節を前置きしてるように
たとえば「麻婆チキン」に関するだけでも
・麻婆ソース+チキン(胸肉)
・麻婆ソース+チキン+小かぶ
・麻婆ソース+チキン+大豆(乾燥から水戻し)
・麻婆ソース+チキン+ひよこ豆(乾燥から水戻し)
・麻婆ソース+チキン(ひき肉)+じゃがいも
・・・等々、等々と滔々とヴァリアントを挙げていくこともできるのだ。
ちなみに私の一番のお気に入りの組み合わせは
・麻婆ソース+チキン(胸肉)+じゃがいも+ひよこ豆 である。



だからといって私が「中華のアマチュア達人」である必要はない。
上に挙げたほとんど、あるいは全部のメニューは
実は回鍋肉のヴァリエーション、少し趣向や狙いを変え小メソッドを付け足した程度の
ヴァリエーションに過ぎないと言えるからだ。
いかにもハードルの高そうな、「素人」には到底成功裡に作れそうになく思える
青椒肉絲だってレバニラ炒めだって麻婆豆腐だって酢豚だって
所詮は「肉(/魚介、動物性タンパク源)&野菜炒め」の範囲内に留まるものだからだ。
青椒肉絲
青椒ことピーマン、とスレッド状に切った肉、で
「味つけられ食材」のタケノコを味付け、
甘辛/旨甘/ピリ辛のトップ・ノート・ソースで炒め合わせただけのものだ。
美味しさ、食感、火通しの都合、3食材の味絡み、ソースのゆき亘りという点から
絲=スレッド状に食材を切り揃えるという小メソッド、
あるいは肉(牛/豚/鶏、さらにはイカ等でも)に片栗粉をまぶし
コリっとした食べ応えを与えるという小メソッドを付け加えただけのものだ。
ぶっちゃけた話、そうしたメソッドは適宜、各々、捨ておいてもいいものだし、
そうなればそれは、所詮は「回鍋肉のヴァリエーション」である、と言ってよい。



誤解して欲しくないのだが、
そんなふうに言ったとて、中華料理の各メソッドを軽んじているわけではない。
青椒肉絲なんてハードル高すぎ!一生に1度も作れないし作らないわ!」みたいな
根拠もないビビりから、そして人によっては逆説のスノビズムから
青椒肉絲ごときも作らずにいる全ての料理者候補に誘いをかけたいのだ。
回鍋肉恐るるに足りず、青椒肉絲恐るるに足りず、となれば
あとは寧ろ後戻りしてより簡単な、たとえば「甘酢ケチャップ炒め」なんぞは
「フツーの野菜炒め」より簡単に、無造作に、素早く作れるレパートリーになるだろう。



各論と各具体例を短く素早く多く並べ立てるつもりだったが
総論と基本コンセプトを語るだけで十分となった。
挙げたひとつひとつのメニューは、気の向くままに随時詳解することにし、
次回は「味噌マヨネーズ炒め」と「甘酢ケチャップ炒め」から始めよう。