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カプセル・ルームは危険(ヤバ)じゃねえ (『翔丸』ふうに)

実は各種のB級グルメ、ひいてはB級ツーリズムを愛する私なのだが、
実際の行為としてそれに乗り出したことは今までほとんどなかった。
たとえば近場の道の駅目指してのB級グルメ・ハント、
たとえば見ず知らずの、観光地でも何でもない都市のビジネス・ホテルに
意味もなく宿泊、
たとえば昭和40、50年代的なレトロな宿やホット・スナック自販機や
ドライヴ・インを目指した小旅行 ー
やろうと思えば誰でも、半日から1泊の時間、5000円から8000円もあれば
できるであろうB級冒険トリップの色々は
私にとってはウェブで間接的に楽しむもの、
そして、その内いつか余裕ができたらやってみたいと夢見る事どもであった。
ところが今般、ひょんなきっかけから ー 到底喜ばしくも何ともない経緯から
もしかしたら一生に1度クラスのロング&サスペンディングな2週間ほどを
過ごすことになり、
その間の常宿となったビジネス・ホテルのカプセル・ルームでの日々と
不健康極まるカロリーたっぷりのジャンクな食事群のことを
以降最低でも10エントリ以上にわたって書き残していこうと思う。
とはいえもちろん例によって、自分でも退屈や倦怠を感じることにもなろうから
適宜いつもどおりの料理関係のエントリを差しはさむことになるのも
(その道のファン読者のため)予告しておこう(もしいれば、だが)。



関東でいえば、春日部市厚木市流山市クラスの人口のその街で
言わば「足止めを食う」ような形で2週間ほどを過ごす羽目になった私は、
予算の都合から
・ネット・カフェ
・安ホテル/旅館&時に野宿
・終夜サウナ
・カプセル・ホテル
の内から一択、もしくは適宜それらの順列組み合わせ
という手を取る必要に迫られたのだが、
運良く最初の宿 ー カプセル・ルーム・フロアを持つビジネス・ホテル ー
が思いがけないくらいの「当たり」であったため
そこで十数連泊したのだった(但し、油断が招いた取り損ねの1泊だけ
野宿を余儀なくされたのだが)。



生涯で過去に1度だけカプセル・ホテル宿泊の経験があった私だったが、
その私にせよ、これを読んでいるその経験のないあなたにせよ、
最も気になる点はプライヴァシー ー 殊に防犯上の ー だろう。
地方・地域にもよるだろうし、ホテルにもよるだろうが、
その方面の心配は実はほぼ不要だと言っていい。
あなた自身が完全に無頓着に「開けっ放し」「放ったらかし」にしていたり
運悪くソレ専門の常習プロ窃盗犯に行き当たったりでもしない限り、
あなたのロッカーや寝室ブース(カプセル)から「つい出来心で」物を盗むような
他の宿泊客はいないはずなのだ。
初回の今エントリではこの点にスポットライトを当て
「カプセル宿泊は怖くない」という背中押しとしてみよう。



今よりずっとナイーヴだった20才前後の時とは異なり
カプセル宿泊に関して私が知っていたこと ー
というか、正しく根源的に推測し認識していたことは、
カプセル宿泊をするような人たちの間には
「お互いさま」「天に唾するなかれ」の原理が必然的に共有され
よってもってそれが防犯に益する自然発生的な自治意識を生む、ということだ。
端的に言えば、「盗まれたくなければ盗むな」
「盗人と疑われたくなければ他人のことは放っとけ」となる。
そう、何事もなく快適に「安宿での一夜」を過ごしたければ
他人に干渉せず、最低限の注意は怠ることなく、
順当に丁寧に「自分のルーティン」をクリアしていけばいいだけなのだ。



その「自分のルーティン」、そのホテルでの私で言えば次のようになる。
15時〜 チェック・イン
15時半〜 1回目の入浴
16〜19時台 街歩き、(日用雑貨などの)買い物、夕食/晩酌/翌朝用の飲食品購入
19時〜25時台 大浴場のラウンジ/休憩スペースで夕食、飲酒、TV鑑賞、夜食
その間に気が向けば2回目の入浴
26時台 就寝
7、8時台 起床
8、9時台 3回目(1日で言えば1回目)の入浴、身支度
10時 チェック・アウト(連泊ながら用事とメンテ業務時間避けのため外出)

以上の毎日、毎時のルーティンをこなす際に留意すべき点はと言えば ー
・入浴時には(必要時の着替え以外)何も持っていかない
大浴場の更衣場には棚・脱衣かご、またキー付きのロッカーがあるが
私はついぞロッカーを使うことはなかった。
大浴場ののれんをくぐる際には着の身着のまま、浴場用の100円スリッパ履きで
もしくは着替えのTシャツ・トランクスだけ持って、
あるいは備品のガウンを(ポケットに備品の剃刀・髭剃りジェル)羽織って、
なので
財布がどうとか
ロッカー(ロッカー・ルームの)の鍵(スパイラル・コードで腕巻き、防水)がどうとか
を気にかける必要がないのだ。
そして他人の棚・脱衣かごから、たかだかTシャツ・ジーンズ・スリッパごときを
わざわざ盗みたがるマヌケなにわか泥棒も居るまい。
・外出時、および寝室ブースを留守にする時は持ち物は全部ロッカーに
厳密に言えば、この原則は少しくらいならちょこちょこ破っていい。
外出、すなわちホテルから出る際には必須とも言えるが
寝室ブースからトイレ、寝室ブースから大浴場、寝室ブースからラウンジ、
というような「留守」時の5分、30分、4時間に
寝室ブースに、脱いだ服、携帯充電器、雑誌、備品のガウンとハーフ・パンツ
あたりを置いておいたとしても、
これまた500円にもならない「たかだか」を盗みたがるマヌケもいないのだ。
ついでに言えば、そういう留守時には
灯りを点けたまま、TVの音を小さめながら流し、ロール・カーテン扉を降ろして
おけば、仮想の泥棒は
「気配はしないが、中に居る?居ない?居たらマズいからスルーで」
と安全策を採ろうから(笑)より安心だ。


ーっと、いきなり堅い、というか楽しさからは遠い話に踏み込みすぎたようだ。
また、カプセル宿泊未体験の人にはその「システム」の大枠も分からず終いの
基本いろいろすっ飛ばしのエントリともなってしまっているようでもある。
次回は仕切り直して、もう少し日記ふう、紀行文ふうに
楽しくカジュアルにカプセル/ビジネス・ホテル宿泊の愉悦を語るとしよう。