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ビーフンが皿うどんに、皿うどんがちゃんぽんに

エントリ・タイトルはロバート・シェクリーの『残酷な方程式』収録の
「コードルが玉ネギに、玉ネギがニンジンに」に寄せたモジりで
別段それらが「化ける」と言っているわけではない。
過去エントリ:「まだ見ぬ炒米粉を夢に求めて その2」の末尾で
「もしかしたら私はその内近々にでも
 これを応用した『私の』海鮮白湯ちゃんぽんを完成させるかもしれないが」
と書いていたのだが、
その後間もなく私は、中華麺を使ってまず汁なしちゃんぽん(皿うどん)を
さらには(汁ありの)ちゃんぽんを完成させてしまったのだった。
ここでは
「ちゃんぽんね、分かるよ。長崎ちゃんぽん、美味いよね。
 袋麺でも冷食でも通販でも全国の『リンガーハット』でももうメジャー。
 でも塩分が、ねぇ?」
という人や
「ちゃんぽんね、分かるよ。長崎ちゃんぽん、美味いよね。
 でもイチから自作はしないよね?できるもんじゃないよね?
 できるとしても途轍もなく難しくて手間暇かかるよね?
 市販の有り物を買って作る、くらいだよね?」
という人に向けて
私流の皿うどん・ちゃんぽんのレシピ系エントリ、いっとこう。

熊本の五木食品はスープ付きの「棒ラーメン」でも名高い乾麺の第一人者



詳細の言わば「前半」は、「夢に求めて その2」をそのまんま踏襲する。
具材でありトッピングであるその「野菜炒め」を美味く作ってしまえば
もう皿うどんはほぼ完成したも同然だし
ちゃんぽんはもう一息、「スープ」部分を付け足すだけだ。
で ー

食材:キャベツ、玉ねぎ、にんにく、ピーマン、エリンギ。ソーセージ、ちくわ。
中華麺。
調理材・調味料:こめ油。鶏ガラスープの素、コンソメ、塩、こしょう。
ちゃんぽんスープ用に付け加えるに
乾燥きくらげ(スライス)、乾燥しいたけ(スライス)、乾燥こんぶ(細切り)、
乾燥小エビ(オキアミ)。
酒、砂糖。

食材のエリンギは例によってなくてもよし。
プラスするならむしろにんじん、あってもよし、どころかあったほうがよし。
(いつか詳述するが、その後私はにんじんという食材が大好きとなったのだ)
今回ちゃんぽんのスープ用に多数付け加えられたものは
ひとえに「味出し」のためであり、「安易に醤油頼み」避けのためである。
きくらげはまあ、長崎/中華気分と食感のためくらいで必須ではない。
他の乾燥3兄弟、しいたけ・こんぶ・小エビは必須、というか
足すと格段に旨みゆえの味出しがキマる発見発明メソッドで、強く推奨。
十数グラム〜数十グラムの小容量で100円前後の商品が当たり前にあり
高級/専門的な「ハードルの高い」食材ではけっしてない。
使うと使わないでは塩の量が2倍も変わるだろうし、
醤油頼みしたくもなるだろう。
しかもそれでもなお、「美味し」くなるとは保証されないし。



「0. 準備」「1. 炒め」「2. 蒸し&煮しめ」は「夢に求めて その2」どおり。
で、皿うどんの場合 ー
3. 煮しめ&仕上げ
「野菜炒め」具材を空けたその角フライパンで(小さければ他のでもよし)
茹でて湯切りした中華麺を煮しめる。
具材と同じく、鶏ガラスープの素&コンソメ半々を湯で溶いたもの30ccほどを
回しかけ、水っけがほぼなくなる程度に強火で30〜60秒ほど煮しめ
具材と混ぜ、もしくは具材を乗っけて、出来上がり。

ちゃんぽんの場合 ー
3. 塩ダレ作り
こここそが今回の料理/閃きヴィジョン/エントリの骨子なのだが、
私はかねてより、TV等で観る一般的な「ラーメン屋」のスープ作り ー
ベース・ノートに薄味の言わばスープ・ストック、直前にプラスして
トップ・ノートに「塩ダレ」や「醤油ダレ」や「味噌ダレ」を混ぜる
ー というメソッドに興味、と一種のいぶかしさを感じていた。
あんなふうに2段階に分けなきゃいけないもんなのかな、と。
で、今回このちゃんぽんスープを作る際に参照・応用してみたのだが
これが効果覿面。
少ない調味料/塩分で、上品でほのかな薄味、でも旨みで完璧に事足れり、と
想像推測ヴィジョナったとおりの美味しさを成就させたのだ。
で、部分的に繰り返しになるが ー

出来上がりで30ccほどをイメージして小鉢/小皿に
その器は1器でも2器、3器で別々にでも、お好みで、やり易いように
鶏ガラスープの素&コンソメ半々、各tsp1/3ほど、湯溶き
乾燥小エビ 1つまみ(2、3尾ほど)
砂糖 tsp1/3〜1/2ほど
酒 見た目でその同量
乾燥しいたけ・乾燥こんぶ 各1つまみ、2〜4片ほど
最終的に1つの器にまとめ、塩を2〜4振り

健康被害・病源にうるさい人にはひとつ留意してほしいことだが
乾燥のしいたけ・こんぶ、あるいはきくらげなどには
水/湯戻しの前に細かな「ごみ」を水洗いして予め除去する、
さらには、水洗い・水戻しした後に熱湯で茹でる・湯通しする(きくらげ)、
みたいな用法上の注意点がある。
ほぼ間違いなくパッケージ裏面に記載があるのでそのとおりに。
しいたけ・こんぶ等は、その戻し汁もむしろ大事なので
100円ショップ等にある取っ手付きの直径7、8cmほどのステンレス茶こしで
「戻し」に入る前に水洗いしておくのが吉。


4. 煮しめ&茹で&仕上げ
皿うどんと同様に、茹で・湯切りした中華麺を一旦煮しめたら
湯(水でも)160ccほどを注ぎ、軽く沸騰させ煮立たせる。
中華麺のでんぷん分などが軽く湯に溶け出しごくうっすらながら白濁するのを
期して、だ(気分なのでやりたい人だけでよし)。
丼に移す直前に上述の塩ダレを投入し、ひと煮立ち。
合わせて185ccほどをスープとする。
具材/野菜炒めは別皿に空けておき、麺・スープの上にトッピングするが吉。

ミソとして、スープはごく少量に抑えてあり
丼の形・容量によっては「少なすぎるスープに麺が浸ってない」となる位だ。
ではなぜスープを250ccや300ccにしないのかといえば
ひとえに調味料/塩分の削減のため、
さらに言うなら「ちゃんぽんとはたっぷり具材を楽しむものだから!」だ。
最大公約数たる煮しめ液の鶏ガラスープの素&コンソメ半々は
都合3回使われており、
スープのためのなけなしの塩ダレは、濃くなく、少なく、しかし強いという
トップ・ノートとして働く。
「鶏ガラスープの素」は実は約半分が塩(相当)である伏兵なのだが
私のこのちゃんぽんは、せいぜい1.8gほどの食塩相当量で済んでいるだろう。
「美味しさ」の決め手はやはり炒米粉の時と同様に
動物性・植物性の食材たちの甘み・旨みに因る味出しにあるのであって
めんつゆも醤油もウスター・ソースもケチャップも豆板醤も使わない ー
したがって、「醤油味」とか「ケチャップ味」とか「甘辛味噌味」のように
単純に括れない旨さ・美味しさを追求した結果がこれ、なのである。



ちなみに、「私の海鮮白湯ちゃんぽん」は
このメソッドにより「白湯」というより薄黄緑の清湯スープと相成った。
インスピレーションのために漁った本家『リンガーハット』公式サイトの言にも
多数のプロ・アマ料理者のレシピの謂う「牛乳使い」にも傾くことなく
ここまで自力で「詰めて」いった自分の腕とヴィジョンには我ながら感心だ。